――企画からお話してください。なぜミルクチャンにしたのか?

ポンプファクトリー丹澤(上写真右/以降、丹澤)「僕が好きだから…が一番単純な理由ですね(笑)」

――フィギュアにしたときに、立体化がミルクチャンは特に難しい。今までぬいぐるみとか色々ありましたがどれも可愛くない。あえて難しいものになんで挑戦したのか?今なぜミルクチャンなのか?

丹澤「ちょっと前までフィギュアってリアル志向だったんですけど、段々時代が単純な形をいかに精密に、2Dのものを三次元に落とし込めるかっていうところに動き始めたから、田中秀幸さんのキャラクターを立体化できたらおもしろいなってところで、ミルクチャンにチャレンジ!」

原型師・桜井氏(上写真左/以降、桜井)「それって後付けでしょ?単純にやりたかっただけでしょ?」

丹澤「まあね(笑)」

――どうやってあのミルクチャンがここまでできるかっていう行程は?

丹澤「あー、じゃあ僕から話を受けたとき桜井さんはどう思ったか?」

桜井「ミルクチャンは・・・そう・・・。田中さんの名前は知ってて・・・。初めてミルクチャン見たのっていつだったかなぁ・・・。ミルクチャンの絵は見たことあったけど、アニメ見たのはグラスホッパーからですね・・・ショッキングでした(笑)。キャラクターでヤバいと思ったのは、ビデオ屋で見たんだけど、アイパッチのユニオンジャックのパッケージがあって、カッコいいこれぇって、ドクロ好きだったから。アイパッチがユニオンジャックっていうのが、すごいセンスだなぁって思って。それですごい意識して、誰がやってんだろう?って。そっから・・・。それで田中さんっていうんだっていって結構注目してたら、やっぱり色々仕事やってて、すごいなぁこの人、一度仕事してみたいなぁとか思って。それで、丹澤さんから話もらったときは即OK!田中さん本人が監修してくれるっていうし・・・」

――仕事が決まってからまずデザインを田中さんにお願いしましたよね。デザインが上がってきて、そこからどうやって作るんですか?

桜井「デザイン貰って、サイズも大体・・・その時はサイズって出てたんだっけ?」

丹澤「サイズは僕が出した。頭の大きさを中心に考えて…とかとか」

桜井「だよね。パッケージとか店に並んだときのことも考えつつ・・・。結局店に並ぶんで、並んだときあんまり大きくてもそんなに数置いてもらえないし・・・。小さすぎても・・・。あと、やっぱり造形物として、フィギュアとしてきちんとした大きさっていうのがこれくらいだったっていう・・・。まぁ、サイズはこのくらいで良かったかなぁと思う。サイズ決めて、あとはもう粘土で、まぁ、作る人によって材料は違うんですけど僕の場合はこれは粘土で作って監修してもらって、何度か修正して、最終的にOK貰ったら硬い素材に置き換えて、磨き直して仕上げて、それに色塗って納品ですね。普通の流れだと」

――以前、チェックのときに斜めから見たら一番いい形で、真正面からもかわいく見れるものをという話があったじゃないですか。作っているときに斜めだったらこれがいいとか、ビデオとか見ながらイメージして、感覚で作っていくのですか?

桜井「大体そうですね。このへんだと個人的な自分が可愛いと思う感覚で作ってくしかないんですけど、田中さんのテイストを盛り込みつつ。結構これだと斜めから見た顔がすごい可愛かったんで。で、前出てたやつは前から見るとすごい目が離れ過ぎてて、それは絶対辞めたいなって。基本的にどこから見ても可愛いように作りたいっていうのはあるんですが、特にここからのカットは可愛く作りたいというのは大体決めて作る。でも立体なのでどこから見てもおかしくないように作るというのはあるんですけど。ただ、キャラクターのイメージで斜めのイメージが強いやつと正面のイメージが強いやつとっていうのがあって、ミルクチャンは勝手に斜めのイメージが強いかなぁって。正面ってあんまり絵がないですよね」

丹澤「だいたい斜めだよね」

桜井「だから斜めから見たときにイメージが立つという。ただ最初それを意識しすぎて、正面から見たときに目が寄りすぎてて、田中さんが監修したときに目を離してくださいって・・・。やっぱ監修してもらったら違うなって」

丹澤「更によくなったよね。それでは、よだれの秘話を・・・」

桜井「よだれ秘話!よだれは田中さんが絵書いてきたんだよね、デザインを」

丹澤「でもそれを立体的にするのは・・・」

桜井「そう、よだれを真剣に作ったのは初めて」

―― 一同爆笑

桜井「よだれないとダメでしょって。よだれはかなり時間かかってる」

丹澤「そうだよね。リアルにできてるよね。イベントで展示すると『触っていいですか?』とよく聞かれます(笑)」

桜井「何となく下に液がたまってる感じに・・・妙によだれには力入れて作った。よだれあるのとないのじゃ全然違うでしょ?世界観というか・・・展示会も最初はミルクチャンだけでもいいって話だったんだけど、よだれ作んないとやっぱ全然違うから、がんばってよだれまでもってったっていう」

丹澤「ミルクチャンを知らない人も、よだれ見てゆびさして「あー!」って言うし、知ってる人はこのよだれ見て「買いだ!」って言うからね」

桜井「ないと、知らない人はただの可愛いキャラクターだと思うけど、よだれがあるとちょっと違って、面白そうないつもと違うキャラクターだなぁって」

丹澤「それはあるよね」

桜井「よだれはあったほうがいいよなぁ」

――桜井さんは他にどんなもの作っているんですか?ミルクチャンみたいなアニメーションは少ないんじゃないですか?ミルクチャンがフィギュアになること自体が・・・

桜井「逆になんで出ないんだろうって思ってましたけどね。」

丹澤「ほんとだよね。なんで出なかったんだろう。」

桜井「田中さんが作ったキャラって、絵を見てて、「あー、きっとこの人フィギュアとか好きなんだろうな」とか、多分おもちゃとかには、そこまで考えて描いてそうだけど、立体が全然ないんで何で作らないんだろうって。人によっては立体作りたくないって人もいるんで。でも本当に的確な監修だった。僕は普段、ベアブリックとか、最近だとバウブリックっていうのが、最新作で、犬のやつなんですけど、その辺は全般やってて。あとは、服屋さんの、今は服屋さんでもオリジナルのドールとか作るじゃないですか?そういうのとか。服屋さんは色々作った。あとは、いかにもっていう、「ガンダム」も作ったことあるしそういう、マニアックなものからお洒落なものまで色々幅広く」